『日本ジオパーク秩父会議』参加報告

ChichibuKanban 『日本ジオパーク秩父会議』に行ってきました。日程と内容は以下の通りです。右写真は『ジオパーク秩父』の看板。

2月15日(水)記念講演
 (1) 「ジオツーリズムと地域活性化」佐藤喜子光氏(NPO法人地域力創造研究所)。
 (2) 「ジオパークの楽しみ方」渡辺真人氏(産総研)。
 佐藤氏:「地域らしさを活かした”おもてなし観光”による地域活性化」。
 渡辺氏:「日本列島に住むという事を考えると、災害と自然の恵みは一体。どうやって自然と関わって人が暮してきたか。ジオの説明でも、人が関わるとストーリーが膨らみます。」

2月16日(木) 事例報告とグループ・ディスカッション
 (1) 午前 :事例報告:島原糸魚川。両地域とも、ジオパーク認定後は観光客が増えているそうです。
 (2) 午後 : グループ・ディスカッション。テーマ「ジオパークと地域活性化」。
 「ジオパークで大切なのはジオツァー、ジオツァーで大切なのはガイド養成」と、話が進みましたが、他の地域はガイド養成に苦労しているようです。 

Nagatoro  銚子は、千葉科学大で安藤先生・坂本先生がガイド養成につながる講座を開いてくれています。これは、他地域に比べると本当に恵まれていると思いました・・・・・感謝。

2月17日(金)ジオツァー(午前中3時間)「宮沢賢治:青春の旅」 宮沢賢治は、盛岡高等農林学校時代、秩父を訪れ「地質調査」を行いました。賢治が訪れた場所を巡るジオツァーです。
 写真左は賢治も見た、秩父・長瀞の岩畳で、国の『特別天然記念物』に指定されています。長瀞は、三波川帯変成岩が露出し、岩畳や変形小構造が見られ、『日本地質100選』に選ばれたジオスポットです。

HumeinoIwa
 写真右は長瀞上流のポットホール。ポットホールは、かつて岩畳が荒川の川底だった時代に、奥秩父から流れてきて窪みなどに残されたチャートなどの硬い転石が、川の流れで回転することで徐々に、比較的柔らかい岩畳を削って、転石の周辺に穴ができる現象です。奥秩父の尖った山容の山々は、ジュラ紀の付加体で、秩父帯と呼ばれます。

 秩父は、約170万年前より隆起をはじめ、3段の河岸段丘が出来た盆地です。地質的に見所の多いところで、新第三系の秩父町層が露出する巨大な崖「ようばけ」も、『日本地質100選』に選ばれました。
 バスの中で地質の説明が多く、正直言って疲れました。

 ジオツァー最後の大田で、3段の段丘面の土地利用の話をしてくれました。
 大田という処は、秩父の町と同じく、下位の段丘のところにあり、「水が得られ、水田を作り、生活は豊かなところです。」「嫁に行くなら大田か蒔田」と言われていました。また、経済的に余裕があることにより、昔から、教育を受けた人が多かったようです。
 高位の段丘面での生活は、水が得られず、養蚕農家が多く、経済的には恵まれていなかったようです。「明治の『秩父事件』の時は、下位段丘の生活者には一揆参加者は少なく、高位段丘の生活者が多かった。」という、歴史・人間がらみの話をしてくれました。
 講演者・渡辺さんの話ではないですが、ジオツァーも人間が見えてくると、また違った楽しみも増えるようです。 

月例見学会第1回 ・ 屏風ヶ浦

 1月29日(日)10:00~14:00に、『銚子ジオパーク推進市民の会』の主催で、月例見学会第1回が、屏風ヶ浦で開催されました。
 銚子マリーナ前の千葉科学大の駐車場に、マスコット・キャラの「超Cちゃん」をあしらったノボリを立て、受付テーブルを出して、お客様を迎えました。 

 三々五々お見えになるお客様の小グループに対応して、随時、1~3名の『~市民の会』スタッフがガイドを行います(下右写真)。その内容の概略は以下の通りです。

BG120129_101830_AD
 (1) 屏風ケ浦の成り立ちと関東平野の地下構造、
 (2) 犬吠層群の各地層の特徴、
 (3) 名洗層内の火山灰層を鍵とする
   地質時代の解析、
 (4) 前浜・沖浜と新しい漣痕の形成、
 (5) 波浪による浸食、 
   および、地層保全 vs 国土保全、
 (6) 断層の特徴と3.11の影響、
 (7) 夫婦ケ鼻―萱刈島断層と
   屏風ケ浦の不連続性、
 (8) 未処理排水の流入度、
   および、海水・生物への影響度

 名洗層は、新生代のうち、新第三紀・鮮新世(約500万年前~)から第四紀・更新世(~220万年前)迄の長期に亘って海中に堆積した地層で、その内部に、筋状の火山灰層を幾重にも挟んでいます。
 上記(3)では、新第三紀と第四紀の境界(約258万年前)に近い約250万年前の火山灰層に含まれるザクロ石の化学組成と粒径の傾向を、 南関東の愛川町~鎌倉市~江東区~銚子市にかけての上総層群相当地域で調査し、丹沢山系の火山爆発の影響を立証した、2010年の田村氏らの研究成果が、その2cmほどの厚さの地層を目の前にして、紹介されました。

Kayakarijima3_AD 名洗層は、犬若海岸を目前にした犬若岬の西部から始まり、潮見町の銚子マリーナのある湾でカーブし乍ら、刑部岬手前の大谷津近辺まで露頭が見られますが、半島東北部の夫婦ケ鼻とマリーナ港内の萱刈島とを結ぶ断層で、一旦、区切られています。左は萱刈島を含むマリーナ港内のGoogle航空写真(ダブルクリックで島が見えます)。

 この断層の西側では、より古い鮮新世の名洗層の大半は地下に潜り、より新しい更新世の名洗層が主に露頭しています。
 この断層の東側では、より新しい更新世の名洗層は外川から続く台地の周縁部に見られます。より古い鮮新世の名洗層も、所々で関東ローム層の間から顔を覗かせています。
 鮮新世の名洗層は、直接、新第三紀・中新世の夫婦ケ鼻層、中生代・白亜紀の長崎鼻層や犬吠埼層、さらには、中生代・ジュラ紀の愛宕山層の上に、不整合に堆積している様子が見られますが、この部分の紹介は『犬岩・月例見学会』に譲ります。

 上記(7)の萱刈島は黒生チャート・愛宕山・犬岩・千騎ケ岩と同様、ジュラ紀の地層からなります。

KK120129_114013
 今回は、希望者のみのオプションで、マリーナ港内の萱刈島(右写真)を見学しました。

 近隣の岩礁のうち、マリーナの工事で、恐らくはここだけが保存されたように見える、ゴツゴツした岩が、海面に頭を出しています。陸に近い側では、海面下の岩も見ることができます。愛宕山や犬岩と同じなら硬砂岩でしょうが、萱刈島の外見は泥岩に似ています。
 岩の頂上には、白くて新しい小さな祠が祀られています(右写真をダブルクリックすると、岩容や神社が拡大)。
 近づけなくて分かりませんが、以前はこの島に湧水が見られたことから、「水天宮かもしれない」という話もありました。


 昼頃には、風はあるものの日差しが強くなり、新しいお客様も増えました。最近は毎週土曜日の『大衆日報』に、安藤先生の連載記事が載るようになり、この記事をご覧になっての訪問者もいらっしゃいました。
 日本列島が寒さの底に沈んでいる今日この頃ですが、9m/秒の風速にも負けず、49名の見学客が、銚子市内および首都圏から訪問されました。

 次回は立春を過ぎて暖かくなることから、2/26(日)の『犬吠埼・月例見学会』への、皆様の一層の参加をお待ちしています。
 集合場所は、「君ヶ浜しおさい公園(犬吠埼灯台寄り海側駐車場)」です。

豊里小で「地学教育支援プロジェクト」の実施

 今朝は、千葉科学大学における「地学教育支援プロジェクト」の一環として、豊里小を訪問しました。
 安藤先生の他に、ジオパーク推進市民の会のメンバー6名が参加しました。

 始め、理科がご専門の校長先生とメンバー5名で、銚子に関した地学系の話題で情報交換しました。校長先生は、「港湾整備前の利根河口の島には黄鉄鉱があった」など、貴重なお話をされていました。

 やがて、安藤先生が沢山の実験機材を運んで来られました。皆で手分けして設置を終えると直ぐに授業のスタートです。1クラス2時限ずつ、2クラスで、計4時限分を、午前の2時限以内に行う予定。
 これを、講義と観察の二手に分かれて同時平行的に授業を行うということで、安藤先生が講義2時限、市民の会のメンバーが観察2時限を、それぞれ担当することになりました。
 今回の観察授業2時限の担当は、私が試行することに。突然振られて、心の準備ができていないですが。

 1クラス24名を3班に分け、 実体顕微鏡、 岩石観察、 試料の洗浄・乾燥の3種の作業を同時平行に実施、10分で交代。作業の前後に、解説とまとめのテストを、各10分ずつ行います。
 各作業には、市民の会のメンバーが2名ずつ就いて、生徒さん達をサポート。

 顕微鏡を使う作業は、前回までにも時間がかかっているので、今回は、担当メンバーがあらかじめ、顕微鏡のセッティングを全て、観察開始前に終えていました。
 火山ガラスや軽石は量が多いので容易に見つかりますが、僅かな試料の中から、黒雲母と磁鉄鉱を発見するのには、今回の生徒さん達も、多少時間がかかりました。もともと、含有比率がかなり少ないので、工夫が必要です。
 磁鉄鉱は、あらかじめ壁止め用マグネットで帯磁させてある、伸ばしたゼムクリップで、試料に軽く触れることで、クリップに吸着したものを観察します。
 黒雲母は、ペラペラしているだけでなく、名前とは異なり、金色っぽく光っている場合が多いことを、予め説明しておきました。

 それでも、1クラスにつき5分遅れ程度で、なんとか2クラスとも完了。PCが無事に作動したことにも、ほっとしました。
 生徒さん達は、実験観察系が大好きですから、とても喜んでおり、帰り掛けの「また来てね~」が心に残ります。
livedoor プロフィール
カテゴリ別アーカイブ
月別アーカイブ
最新コメント
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
livedoor 天気
  • ライブドアブログ