春の山陰海岸ジオパーク訪問記

◎香住海岸の足跡化石_3282
<図1.ガイドブックを見ながらの足跡化石探し
右側の人が胸に刺しているのは日本水難救済会の「青い羽根」、香住の遊覧船の埠頭で募金

 
  3月31日、市民の会有志で「山陰海岸ジオパーク」を訪問し、ほぼ一日、事務局の今井さんに車で案内をして頂きました。

前日の午後4時過ぎに京都駅から福知山線に乗り、豊岡、城ノ崎を経て、香住駅に着いたのは午後8時少し前でした。

⑧三姉妹船長にインタビュー_3277Ed矢田川河口の民宿の部屋からは、眼前に香住湾の漁火が見えて、旅情を誘います。
 
民宿のご主人のお話では、自慢の岩風呂の岩は、先代とお二人で、
「湯村温泉」近くの岸田川の川岸から切り出して運ばれたものとか。
見事な岩を鑑賞しながら、豊富な湯量の湯舟に身を沈めました。
 
翌日、朝風呂に入った折に坪庭を見ると、花の直径が10cmを超える深紅の椿が満開でした。ロビーへ降りる階段の踊り場から見える山側には、梨の新芽が伸びていました。
<図2.「三姉妹船長」にインタビュー  香住は梨の名産地で、「二十世梨」の生産量は兵庫県内一位だそうです。梨栽培と民宿を兼業している農家もあるそうです。

⑥香住海岸クルーズ_海食洞_3264Ed

31日のジオツアーは朝一番が『香美町海の文化館』で、今井さんから、ジオだけでなく、ジオと人との関わりを中心にした解説を聞きました。

  10日前に春の漁を終えたばかりの松葉ガニ(ズワイガニ)は大陸棚の底引き網で獲り、一方、9月から5月まで解禁の香住ガニ(ベニズワイガニ)は深海にカニ籠を沈めて獲るそうです。カニ籠の底には、子ガニだけが出られる穴が開いており、資源保護に配慮しているようです。
②香住海岸クルーズ_流紋岩_3242Ed  但馬の山では、かつては棚田で鋤を引いていた但馬牛=黒毛和種の繁殖を専門に行い、子牛のうちに肥育  <図3五色洞門のエメラルド色の海
地に送り、これが松阪牛や神戸牛
になるそうです。
         
 次いで香住湾の遊覧船に乗り、春には珍しく鏡のように凪いだ湾に出ました。操舵とガイドは「三姉妹船長」。親子二代の三姉妹6人が交代で、三隻の船の船長をしているそうです。中学時代以来のガイド
  <図4.国指定天然記念物「鎧の袖」>  歴は40年、岩礁地帯で難しい操舵をこなしながらの見事なガイドぶ③香住海岸クルーズ_流紋岩_3243Ed 
です。
  洞窟に差し込む陽光次第で内側の海面の色が様々に変化する「五色洞門」や、縦横に走る亀裂が武士の鎧の草摺りに似ている「鎧の袖」
、頭に羽飾りを付けたアメリカ原住民の横顔にそっくりの「インディアン岩」(鷹の巣岩)など、海側からしか見えない珍しい岩が次々に現れるので、デッキや船内を忙しなく移動して、見逃すまいと必死になりました。
 特に「鎧の袖」は、約1千万年~3百万年前の火山活動によって成されたもので、マグマが急冷されてできた流紋岩質デイサイトと <図5遊覧船の甲板から「鎧の袖」を見る⑨香住海岸の足跡化石_3278Ed
凝灰岩より成る柱状節理や板状節理を、これに直交する15本の平行な亀裂が横切る様子が貴重で、国の天然記念物に指定されています。

    船を下り、先ほど海から見えた崖地に行くと、約2千万年前の、日本海になる直前の「古香住湖」の湖底の砂岩泥層に残された流痕化石がありました。
    下浜の海岸では、「古香住湖」周辺の砂泥層に残されたシカ・ゾウ・ツルの足跡化石を、ガイドブックを見ながら探しました。
    <図6.シカの足跡化石を確認> 
⑰青竜洞Zoomin1_3305Ed
 午後は豊岡に出て、円山川東岸の丘陵地に登り、『玄武洞公園』に行きました。ここは、玄武岩の名称由来の地であるとともに、「松山逆磁極期」として知られる地球の磁極反転を松山基範博士が発見した地でもあり、国の天然記念物に指定されています。
 ここで、約160万年前に噴出したマグマが急冷されてできた柱状節理を見学しました。5つの洞窟のうち、石切り場跡が洞窟になった「玄武洞」と、流れるような柱状節理が見事な「青龍洞」の2つを、公園のガイドさんに案内して頂きました。             <図7.青龍洞の柱状節理を案内するガイドさん
 
⑱コウノトリ公園_3310Edジオツアーの締めは、丸山川の護岸工事と農薬によって絶滅した、
コウノトリの復活に取り組む『コウノトリの郷』公園です。
ニジマスを給餌する時間に合わせて訪問したため、園の内外から数多くのコウノトリが集まっています。
 お零れにあずかろうと、アオサギやトビ、カラスまでも待ち構えています。
 傍らの『コウノトリ文化館』では、放鳥後の追跡状況を掲示しており、千葉県では野田と夷隅の田圃に飛来しています。
<図8.「コウノトリの郷公園」で給餌の準備>    追跡状況が掲示されている地図を見ていて気付いたのですが、銚子は豊岡のほぼ真東に位置しています。銚子までは、大柄なコウノトリとっては一っ飛びの距離かもしれません。農薬の流入しない湿地があれば、銚子にもコウノトリが来てくれるかも知れないと思いました。

            【謝辞】 山陰海岸ジオパーク今井様 : 図1~図8の写真について、
                         使用許可頂き、どうも、有難うございます。
           文責編集 :   HP&ブログ担当 in  銚子ジオパーク推進市民の会