1月29日(日)10:00~14:00に、『銚子ジオパーク推進市民の会』の主催で、月例見学会第1回が、屏風ヶ浦で開催されました。
 銚子マリーナ前の千葉科学大の駐車場に、マスコット・キャラの「超Cちゃん」をあしらったノボリを立て、受付テーブルを出して、お客様を迎えました。 

 三々五々お見えになるお客様の小グループに対応して、随時、1~3名の『~市民の会』スタッフがガイドを行います(下右写真)。その内容の概略は以下の通りです。

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 (1) 屏風ケ浦の成り立ちと関東平野の地下構造、
 (2) 犬吠層群の各地層の特徴、
 (3) 名洗層内の火山灰層を鍵とする
   地質時代の解析、
 (4) 前浜・沖浜と新しい漣痕の形成、
 (5) 波浪による浸食、 
   および、地層保全 vs 国土保全、
 (6) 断層の特徴と3.11の影響、
 (7) 夫婦ケ鼻―萱刈島断層と
   屏風ケ浦の不連続性、
 (8) 未処理排水の流入度、
   および、海水・生物への影響度

 名洗層は、新生代のうち、新第三紀・鮮新世(約500万年前~)から第四紀・更新世(~220万年前)迄の長期に亘って海中に堆積した地層で、その内部に、筋状の火山灰層を幾重にも挟んでいます。
 上記(3)では、新第三紀と第四紀の境界(約258万年前)に近い約250万年前の火山灰層に含まれるザクロ石の化学組成と粒径の傾向を、 南関東の愛川町~鎌倉市~江東区~銚子市にかけての上総層群相当地域で調査し、丹沢山系の火山爆発の影響を立証した、2010年の田村氏らの研究成果が、その2cmほどの厚さの地層を目の前にして、紹介されました。

Kayakarijima3_AD 名洗層は、犬若海岸を目前にした犬若岬の西部から始まり、潮見町の銚子マリーナのある湾でカーブし乍ら、刑部岬手前の大谷津近辺まで露頭が見られますが、半島東北部の夫婦ケ鼻とマリーナ港内の萱刈島とを結ぶ断層で、一旦、区切られています。左は萱刈島を含むマリーナ港内のGoogle航空写真(ダブルクリックで島が見えます)。

 この断層の西側では、より古い鮮新世の名洗層の大半は地下に潜り、より新しい更新世の名洗層が主に露頭しています。
 この断層の東側では、より新しい更新世の名洗層は外川から続く台地の周縁部に見られます。より古い鮮新世の名洗層も、所々で関東ローム層の間から顔を覗かせています。
 鮮新世の名洗層は、直接、新第三紀・中新世の夫婦ケ鼻層、中生代・白亜紀の長崎鼻層や犬吠埼層、さらには、中生代・ジュラ紀の愛宕山層の上に、不整合に堆積している様子が見られますが、この部分の紹介は『犬岩・月例見学会』に譲ります。

 上記(7)の萱刈島は黒生チャート・愛宕山・犬岩・千騎ケ岩と同様、ジュラ紀の地層からなります。

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 今回は、希望者のみのオプションで、マリーナ港内の萱刈島(右写真)を見学しました。

 近隣の岩礁のうち、マリーナの工事で、恐らくはここだけが保存されたように見える、ゴツゴツした岩が、海面に頭を出しています。陸に近い側では、海面下の岩も見ることができます。愛宕山や犬岩と同じなら硬砂岩でしょうが、萱刈島の外見は泥岩に似ています。
 岩の頂上には、白くて新しい小さな祠が祀られています(右写真をダブルクリックすると、岩容や神社が拡大)。
 近づけなくて分かりませんが、以前はこの島に湧水が見られたことから、「水天宮かもしれない」という話もありました。


 昼頃には、風はあるものの日差しが強くなり、新しいお客様も増えました。最近は毎週土曜日の『大衆日報』に、安藤先生の連載記事が載るようになり、この記事をご覧になっての訪問者もいらっしゃいました。
 日本列島が寒さの底に沈んでいる今日この頃ですが、9m/秒の風速にも負けず、49名の見学客が、銚子市内および首都圏から訪問されました。

 次回は立春を過ぎて暖かくなることから、2/26(日)の『犬吠埼・月例見学会』への、皆様の一層の参加をお待ちしています。
 集合場所は、「君ヶ浜しおさい公園(犬吠埼灯台寄り海側駐車場)」です。