つくば市の産業技術総合研究所で、7月19日(土)、つくば市と茨城県が後援する一般公開がありました。
そのうち、地質標本館では、高橋雅紀博士(地球変動史研究グループ研究員)による、特別展示『 地質アナログ模型の世界 』と特別講演『 ジオラマ模型で覗く地質の世界 』・『 関東平野の地下旅行 』が開かれました。
「銚子ジオパーク推進市民の会」では、これらを見学・聴講しました。
高橋先生の講演に先立って、『 もっと地中熱を利用しよう 』の講演と実験施設の見学にも参加し、地中熱発電のメリットと普及に当たっての問題点などを考えました。
また、本部情報棟のネットワーク会議室では、特別企画『地球を楽しもう!全国のジオパークと筑波山の地質 』が開かれ、今回は、白山手取川・ふくい勝山・銚子の、3ヶ所のジオパークが参加しました。 <図1.一般公開のリーフレット>
銚子ジオパーク推進室は、講演会『 バーチャルジオツアー 』で銚子ジオパークを案内するとともに、参加した一般客に、銚子ジオマップに銚子産の石を貼る体験をして頂きました。
「銚子ジオパーク推進市民の会」のスタッフは、この石貼り体験のアシスタントを務めました。
これらのイベントに参加した「市民の会」スタッフが、以下の訪問記を寄せてくれました。
・・・・・地質標本館での高橋雅紀氏特別講演を中心として・・・・・
高橋雅紀氏は、これまでも何度も、銚子を訪問調査されている。今回は、「日本列島形成」に伴うイベントにとって最重要な地として、“銚子”を取りあげてきた高橋雅紀氏の、二つの講演を聞いた。
・午前11-12時 『ジオラマ模型で覗く地質の世界』では、ジオラマ作製の実際が披歴された。
一般の人々にとって取りつきにくい地質の世界を、解りやすくするため、地質図を三次元化したジオラマ模型を思いついたものの、「何を遊んでいるのだ!」と思われかねず、他の研究者・上司に気
<図2.高橋雅紀氏の動画オープニング> 取られぬよう、内密に作製した苦労談を交えながら、話された。
・午後1-2時 『ジオラマ模型で覗く地質の世界』では、関東地方の地下の地質が示された。
「関東地域の地下等深線ジオラマ」によって、“前孤海盆”ゆえに陥没する関東地下の基盤岩と、その上に堆積した軟弱地層が、地下等深線により明確に識別されることから、例えば、震度の差・長周期振動などの説明が容易になった、等の説明があった。
「関東・大阪両地下等深線ジオラマ」などは、今回は玄関ホールでの展示だったが、近々、常設展示される予定。 <図3.動画でも紹介された犬吠埼の白亜紀地層> 今回は展示されていなかったが、「日本海の拡大・形成」によって、ユーラシア大陸に隣接していた日本列島が、「中央構造線」の
“左横ずれ”によって、本州で“逆くの字型”に折れ曲がる「時系列動態ジオラマ」?も、本日の話の理解には必須だと思った。
このジオラマは、今年5月に銚子で開催された、深田研究所・談話会主催の『東西日本の地質境界を歩く』の講演(銚子市勤労コミュニケーション・センターで開催)の際に、高橋雅紀氏によって提示された。
また、別棟・別会場の『地球を楽しもう』で行われた、銚子ジオパ <図4.銚子ジオマップに銚子の石を貼る体験> ーク推進室による、バーチャル・ジオツアーや実習コーナーも好評だった。実習では、銚子ジオサイトで産出する岩石や火山灰を貼り付けて、ジオマップを完成させた。
文責 : 椿 敬一郎 (補筆&画像提供&編集 : HP&ブログの担当スタッフ)
【注】 つくば産業技術総合研究所の一般公開 < 2014/07/19(土)9:30~16:00 >
地質標本館 2014 夏の特別展 「地質アナログ模型の世界」 < 2014/07/15(火)~10/13(月)9:30~16:30 >