
講演会に先だって、野平銚子市長と千葉科学大学の赤木学長から来賓挨拶があり、次いで、千葉科学大学の安藤准教授から、本日の講師:茨城大学理学部の天野教授の紹介がありました。右写真は、左から野平市長、天野教授、赤城学長。

カラフルなスライドを多用しての解りやすい講演で、講演会参加者も、「茨城県北ジオパーク」についての認識だけでなく、銚子でジオパーク推進活動を行うにあたり、多くの示唆を受けました。

右写真は「茨城県北ジオパーク」 推進協議会の構成:
組織内では、茨城大学の学生が、自主的にHPを運営しつつ、中心的な活動を展開し、地域住民との連携活動を通じて培った経験が、学生の就活にも役立ったそうです。
また、市民が自主的にジオツアーを企画し、その活動の輪が広がっていることも、ここのジオパークの特徴だそうです。

県北ジオパーク」の構想(図上の色分けは地質時代区分に準拠、赤は古生代、水色は中生代、黄色は新第三期までの新生代): 特産のリンゴをイメージしたマスコット・キャラクターで案内します。
右下写真は「茨城県北ジオパーク」のジオサイト・マップと各ジオサイトの特徴: 特筆すべきサイトには、
①古生代カンブリア紀(約5億年前)の地層=日立鉱山
(銅の産出量が明治期は日本一で日本の工業化を支えた) 、
②中生代ジュラ紀の付加体=八溝山地、
③中生代白亜紀のアンモナイト産出=平磯海岸、
④新生代中新世の海底火山=袋田の滝、
⑤新生代中新世に由来のリアス式海岸=五浦の海食台上
の天心の六角堂、

④新生代中新世の海底火山=袋田の滝、
⑤新生代中新世に由来のリアス式海岸=五浦の海食台上
の天心の六角堂、
などがあるそうです。
五浦の海食台に は、”ガス・ハイドレートの化石”としての”炭酸塩ノジュール”を含む奇岩が多く、この風景に、岡倉天心(近代日本画改革運動の推進者)は惹かれたと言われています。
五浦の海食台に は、”ガス・ハイドレートの化石”としての”炭酸塩ノジュール”を含む奇岩が多く、この風景に、岡倉天心(近代日本画改革運動の推進者)は惹かれたと言われています。
また、ジオパークの認定には、地質遺産だけでなく、考古学的・歴史的・文化的な遺産についても、存在の訴求が必要になるそうです。

「3.11」では、五浦の六角堂が津波で流出しただけでなく、かつては海だった千波湖の周囲を埋め立てた地域(左写真)で大規模な液状化が発生し、湖岸の水戸市役所も傾斜したまま、未だに復旧していないそうです。
ジオパークでは、地域住民が、居住地周辺の地形・地盤への理解を深め、予め災害対策を立てることも活動の一環にすることが重要、と語られました。