Guide2_DSCF3364_Resize 初め2回のガイドは、10名以上のお客様をご案内しました。その後は、三々五々お見えになるお客様の小グループに対応して、随時、1~3名のスタッフがガイドしました。今回は、お客様のご要望に応じて、20分~1時間30分の範囲内で、内容をアレンジしました。左写真は、ベテランガイドによる解説。
 内容は、前述の「簡易標識」の場所で、(1)~(8)の地質の成立状況を説明するほか、随時、犬吠埼の崖地に見られる植物群や、灯台+波高計+電波塔の説明などを付加しました。

 犬吠埼の地質は「犬吠埼層」と呼ばれ、主として、ストーム(嵐)で形成された「ハンモック状斜交層理」を形成する細粒の砂岩から成り、石英とカリ長石に富みます。堆積したのは、当時の「南中国地隗」に近い、東西方向に海岸線を持つ「亜熱帯の比較的浅い海」だとされています。因みに「亜熱帯」は、現代の気候に対応する地図でいえば「海南島」中部以北に相当します。

 犬吠埼層を含む「銚子層群」は、中生代の白亜紀前期のうち、前期バレミアン~後期アプチアンに属します。このうち、犬吠埼層は前期アプチアンに属します。銚子層群は、西南日本外帯の「秩父帯中帯」に属する関東山地で、ジュラ紀の岩を不整合に覆っている 山中(サンチュウ)地溝帯」の、白亜系の「石堂層(バレミアン)」・「瀬林(セバヤシ)(後期バレミアン~アプチアン)」の東方への延長とする説があります。銚子も関東山地も、テチス海由来の動物化石(アンモナイトなど)を多く産出します。「山中地溝帯」では恐竜の足跡も確認されています。
 銚子層群は、ジュラ紀の「愛宕山層群」の上に不整合で堆積しています。犬吠埼で地面を深く掘る工事をすると、「高神礫岩」と同様の化石を含むジュラ紀の石が出るのは、このためではないかと言われています。

 銚子半島を含む、やがて本州の部品になる地隗は、白亜紀前期(約1億3,000万年前)に、イザナギ・プレートの北上に伴う「横ずれ運動」により、南シナ海付近からほぼ現在の位置まで、約2,000km移動したと考えられています。銚子半島にとって、パンサラサ海(古太平洋)の海底を産みの母、超大陸ロディニアを実の父とすれば、南中国地隗やテチス海は育ての母、イザナギ・プレートは育ての父といったところでしょうか?
 また、銚子層群の地層は、白亜紀後期から、新生代・中新世の日本海が開く前後までに、水平圧縮された結果、背斜を成す多くの褶曲とそれらを切る断層によって変形を受けており、随所に、30°もの傾斜が見られます。 

 毎週土曜日の『大衆日報』に、安藤先生の連載記事が載るようになり、昨2月25日で第6回を迎えました。この記事をご覧になっての訪問者も増えました。特に最新回は、『堆積学の教科書・犬吠埼の堆積構造』という表題で、犬吠埼がタイムリーに特集されています。
 また今回の見学会では、関東の少し遠いエリアからの新しいお客様も増えました。特に、内陸県のお子様たちは、説明付きの磯遊びを楽しんでいる様子でした。
 昨日の大雨が過ぎ去って寒さがぶり返し、波浪注意報が出ていた犬吠埼の岩礁は、午後にはうねりを伴う3mの波に洗われ、午後2:30を回ると急速に潮が上げてきました。薄曇りの一日、鹿島灘からの6m/秒の北風にも負けず、100名の見学客が、銚子市内および首都圏から訪問されました。

 次回は春たけなわ、3/24(土)の『犬岩・月例見学会』への、皆様の一層の参加をお待ちしています。
 集合場所は、「犬岩前(犬若青年館わきを入り奥の広場)」です。