屏風ヶ浦

2012基礎講座 第3回 海岸地形/堆積岩の分類

DSC01415 5月17日(木)午後7時~8時半に、 基礎講座の第3回が開催され、60名以上の参加者がありました。 今回も、教室前に幟旗を立て、テーブルを出して、「市民の会」のスタッフが、千葉科学大の学生さん達に 代わって、受付や地学テキストの販売などの事務処理を、講座開始まで行いました。講座開始後は、学生さんにバトンタッチしました。

  前半の安藤先生は、前回は駆け足で説明された「海岸地形のでき方」を、スライドや板書を使って 詳しく説明されました。特に、屏風ヶ浦の洪積台地(下総台地)について、どのようにして谷頭浸食が進んで行くかを解説されました(左上写真)。
 今日は、休憩時間に、この部分について、多くの質問がありました(下左右写真)。
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 後半の坂本先生は、「堆積岩の分類とでき方」を、写真や配布資料で説明されました。

 堆積物は続成作用を受けて堆積岩になります。 続成作用には、上載圧力(圧密現象)のような物理的作用と、膠結(化学生成物を析出して固結力を高める)のような化学的作用があります。 物理的作用と化学的作用は、堆積修了と同時にスタート、初期は物理的作用が支配的で、その後に化学的作用が数万年に亘って継続します。屏風ヶ浦の香取層などは、 膠結が不十分なうちに海退が起きて地上に現れたため、雨水の浸透によって浸食され、谷頭浸食が発達しています。
 一方、 火山灰が地上に降下後、火山灰が持つ熱と重量によって、その一部が溶融し、圧縮されてできた凝灰岩を、溶結凝灰岩と呼びます

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坂本先生は、結晶が素晴らしく、珍しい岩石の写真を見せて下さいました。種類は、磁鉄鉱・銅・方鉛鉱・ダイアモンドです。磁鉄鉱は、 別の石の中に、黒い円錐?型の結晶を見せて埋まっています。
 や金は、純粋な結晶を作りやすいため、精錬技術がなかった古代から利用されてきた、という説明もありました。
   
 また、地球の歴史や未来についても言及があり、地球には氷河期が周期的に到来するのに対して、必ずしも温暖化は起きないのではないかと、心配?している研究者も居るということです。

 坂本先生は、今年から学部長になられて、お忙しいのですが、この講座では、あと3回、講義して下さるそうです。
 
 来週は、授業の前半に、安藤先生の「島原ユネスコ会議報告」があります。

2012基礎講座 第2回 琥珀の話/海岸地形のでき方

4月26日(木)午後7時~8時半に、 基礎講座の第2回が開催され、前回に続いて、90名程の参加者がありました。 今回も、教室前に幟旗を立て、テーブルを出して、「市民の会」のスタッフが、千葉科学大の学生さん達 に
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代わって、受付や地学テキストの販売などの事務処理を、講座開始まで行いました。講座開始後は、学生さんにバトンタッチしました。
 
 今回は、前半がゲストの山田勝彦氏の『琥珀の話』、10分休憩を挟んで、後半を担当する安藤先生のテーマは「海岸地形のでき方」です。
 左写真は、採集した琥珀を手に、解説する山田講師。
 ゲストの山田氏は、地元醤油会社の研究所出身で、25年間も琥珀を研究している方です。地元に理系の研究所があることで、銚子では、地学系の民間研究者のレベルも高いものになっているのでしょう。今回の講演は、日頃から犬吠埼で化石の発見に余年のない「市民の会」のスタッフが、フィールドワーク中に山田氏と親しくなって  実現しました。このような出会いは「市民の会」にとって貴重なものです。
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 右写真は、「世界の琥珀分布図」を表示して解説する山田講師。 
 琥珀は、太古の樹木の樹脂が地中に埋もれ、経年変化して化石化高分子化合物化)したもので、半化石状態のものをコーバルと呼びます。世界最古の琥珀は、約3億年前(古生代・石炭紀)のイギリス・シベリア・アメリカ産です。 
 虫入り琥珀としてはレバノン産が最古で、約1億4000万年前(中生代・白亜紀前期)のユスリカの仲間などが含まれています。世界で2番目、日本で最も古い虫入り琥珀は、山田氏の 発見した銚子産 Chosia yamadai で、約1億1000万年前(中生代・白亜紀前期)のハチの仲間が含まれています。虫入り琥珀を研究することで、昆虫の進化の歴史を辿ることが出来ます。映画『ジュラシック・パーク』も、恐竜が跋扈していた白亜紀の虫入り琥珀にヒントを得たものです。
 日本で銚子産に次いで古い虫入り琥珀は、岩手県久慈産の約8500万年前(白亜紀後期)に属するもので、多彩な種類の昆虫が含まれ、銚子に比べて産出量も多く、世界三大琥珀産地の一つです。因みに、世界一の琥珀産地はバルト海沿岸で、約4000万年前(新生代・第三期・始新世)に属します。 
KohakuEturanShimin  銚子の粟島遺跡からは、縄文時代の琥珀製玉類が多く報告されています。因みに、日本最古の琥珀加工品は、北海道の旧石器時代の墓跡から約1万4000年前の琥珀製垂飾品が報告されており、国の重要文化財に指定されています。
 左写真は、休憩時間に、山田講師(中央奥・カメラの方を向いている方)の持参された貴重な琥珀の数々を見学する市民。山田講師は、ご自分の採集された琥珀の数々を受講生全員に回して、触らせて下さいました。
 銚子最大の琥珀は、1989年に長崎海水浴場(酉明浦)で発見された5.1kgのもの(千葉県立中央博物館蔵)だそうです。 
 銚子では今でも、酉明浦辺りに漂着する珪化木の中に小さな琥珀が含まれているが、かつて採取された透明感のある大きなものは君ヶ浜に漂着した、ということです。  また、銚子の琥珀は、国定公園指定以前に掘り尽くされたわけではなく、犬吠埼の岩体の中に埋もれている琥珀は、波に洗われて、今後も、新しく顔を出す可能性があるとは、山田講師の弁。
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 犬吠埼の岩体は、防波堤の役目を担っているので、「琥珀探しに夢中になって破壊することがないように」との注意もされていました。
 恬淡とした人柄と、ウィットに富んで魅力的な語り口に、
45分はあっという間でした。
 山田講師、有難うございました。

 後半の安藤先生は、スライドを使って、先ず原理を、次いで、屏風ヶ浦の洪積台地(下総台地)や利根川河岸の沖積平野について、実例に即した解説を、されました。
 右上写真は、休憩時間に、地質時代区分についての中学生の質問に答える安藤先生。
 下総台地は主として氷河性の海退による海成層の出現、利根川河岸の平野部は氷河性の海進による利根川の氾濫原、とみなされるそうです。 
 
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 雨水の浸食作用では、涸れ谷から谷への深化、谷頭浸食、支谷の分岐による樹枝状の谷系の発達が解説されました。
 ここまで来て、直ぐに思い浮かぶのは、下総台地の航空写真です。とりわけ、磯見川周辺では、この樹枝状の谷系の発達が顕著です。左写真は、Google航空写真で見る八木町~上永井。いくら見ても、見飽きない写真です。この写真をクリックすると、拡大して、ジオポイント磯見川が分かります。
 ここで、 樹枝状の谷系の周りを縁取っているのは森林。河岸段丘の平坦部が、開墾されてキャベツ畑や人家になり、法面には、房総半島に特徴的なスダジイ・タブ・ツバキ・ヤツデなどで構成される照葉樹林が残存。今の季節に、この地域を尋ねると、シイやカシの黄緑色の新芽が、目にも鮮やかです。 

「犬岩周辺の海岸清掃」のお知らせ【更新版】

 本日実施する清掃活動について、駐車場に変更がありましたので、お知らせ致します。

 「銚子ジオパーク推進市民の会」では、先日の一周年総会において、銚子市域の活性化を目指し、「日本ジオパーク・ネットワーク」の認定を受けるための活動を、積極的に展開することになりました。
 これに伴い、銚子のジオサイトとして知られる、犬岩・屏風ヶ浦・犬吠埼などの清掃を、毎月、実施することになりました。
 今回は、「ナルク銚子拠点」の協力が得られ、共に清掃活動を進めて参ります。
 率先して清掃活動を行うことで、銚子を、ゴミを捨てない街、ゴミのない街に、してゆきましょう。
 皆さんの参加をお待ちしております。


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【日程】 毎月4週目の日曜、午前9時~10時
      雨天中止(小雨決行
 
第1回 4月22日(日) 犬岩
第2回 5月20日(日) 犬岩
第3回 6月17日(日) 犬岩

【集合場所】 犬岩前広場

【駐車場】 外川漁港駐車場

【持ち物】 軍手、ゴミ袋(レジ袋など)、
        火バサミ(長めのトング)

【トイレ】 外川漁港に昨秋新設

2012基礎講座 第1回 地球の歴史

Uketuke0419-001 4月19日(木)午後7時~8時半に、 基礎講座の第1回が開催され、90名程の参加者がありました。

 今までは、「市民の会」の各種講座の事務処理や案内・受付は、千葉科学大の学生さん達で行なっていましたが、今年度から、「市民の会」のスタッフがこれを引き継ぐことになり、今回が練習の1回目です。
 手分けして、参加される方々の車の誘導を行い、また、教室前に幟旗を立て、テーブルを出して、受付(右写真)をしました。
 去年の学校教育支援でお会いした校長先生など、懐かしい方にも、お会い出来ました。

AkagiAisatu0419-001 講座の開講にあたり、「市民の会」の工藤会長、千葉科学大の赤木学長(左写真)、および講義担当の安藤准教授から挨拶があり、ジオパークのガイド養成講座の意義を確認しました。 
  基礎講座の修了試験に合格し、続くマスター講座を修了し、その間にガイドの演習を何度もこなしていくことで、2年掛けて、認定ガイドの養成を目指すということです。 

 今回のテーマは、「地球の歴史」です。
 地球46億年の歴史が、今迄、どのように解明されているか、解明するに当たって用いた手法はどのようなものか、そして、人類は、地球の歴史上で、どのような位置に立っているのか、人類の未来は?。。。と、壮大なスケールの講義が続きます。
  地球の46億年を24時間に当てはめると、人類の出現した258万年前 (新生代第四紀)は、45秒前に当たるそうです。 このささやかな存在でしかない人類が、5億年以上前の、カンブリア紀の三葉虫を調査しているのも、感慨深いことです。   
  
Jugyo0419-001 地質時代区分の講義(右写真)では、配布されたA3サイズの年代表を、学習者自身が工夫して色分けすると、理解が深まると、安藤先生からアドバイスがありました。
 相対年代による地質時代は、動物の進化を基準にして区分けされていること、植物は、それを捕食する動物よりも、先行して進化してゆくことが説明されました。
 
 銚子の地層で特筆すべき点(年代が新しい順)
① 屏風ヶ浦の名洗層に新第三紀と第四紀の境界があり、ほぼ、人類誕生の時代に相当する。
② 日本海が開き始める前の時代、夫婦ヶ鼻層にマグマが貫入し、 風変わりな成分構成比を持つ古銅輝石安山岩が露頭している。
③ 犬吠埼周辺には、 アンモナイトなどの浅海性堆積物を含む銚子層群の地層が露頭しているが、 銚子層群を含む白亜紀はまた、恐竜が跋扈した時代でもある。
④ ジュラ紀の愛宕山層群の堅固な地層が東海岸の基底にあることで、銚子半島の独特な形状が維持され、三方を水域に囲まれた海洋性気候で、漁業だけでなく、醤油醸造・キャベツ栽培・風力発電に成功している。
 
 稀有の僥倖に恵まれた銚子の地を大切にしたいと、改めて感じた、今日の授業でした。

フリッパー号で屏風ヶ浦クルーズ(その2)


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 船は、グングンと、屏風ヶ浦に近づいて行きます。午後の日を受けて、青みを帯びた灰色に輝く飯岡層が、目前に屹立して、左右に広がります。
 風化の激しい香取層は、湧水によって谷を刻み、飯岡層の上面まで削って、さらに谷を深くしています。

 洪積世に海中にあって平坦に堆積していた筈の下総台地も、海退によって地上に現れてから10数万年、今では、随分と凹凸が激しくなっていることを、実感しました。台地の表層・関東ローム層の上には、キャベツ畑の中に、風力発電機のプロペラがゆっくりと回っています。

 船が、荒波によって崩壊した通漣洞の沖合を通る頃、安藤先生が、延命姫伝説の解説をされています。通蓮洞で太平洋に注ぐ磯見川には、今でも、トウキョウサンショウウオゲンジボタルが生息するなど、生物多様性に富んだ水辺があると聞いています。アクセスの不便さが幸いしているかも知れません。

 刑部岬に近い台地上に、廃棄物の最終処分場が建設されたのは、飯岡層の不透水性を利用するためだと、安藤先生の解説が続きます。

 海に落ち込む刑部岬を洗う波しぶきを見ながら、船はゆっくりと回転します。帰路は、往路の2倍は出しているかと思われるスピードで、外川港に向かいます。

 日頃は、崖下の通路も半ば海中に没しているために、近づくことのできない飯岡層の全景を把握することのできた、フリッパー号のクルーズでした。船長さん、安藤先生、有難うございました。
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