6月21日(木)午後7時~8時半に、 基礎講座の第8回が開催され、60名近い参加者がありました。 今回も、教室前に幟旗を立て、テーブルを出して、「市民の会」のスタッフが、千葉科学大の学生さん達と共に、受付などの事務処理を行いました。

 今回のテーマは『地磁気と海洋底拡大』で、安藤先生の講義です。 
 先ず、地球の層構造~地磁気を、「地学図表」P.10~13を参照しつつ解説、この部分は、高校地学だけでなく高校物理の復習になりますが、原理的な部分については押さえておく必要があります。

 主として玄武岩質の海洋地殻は薄く10km以下です。上部が花崗岩質で、下部が玄武岩質の大陸地殻は、それより厚く、40kmに及ぶものもあるそうです。
 地殻の下、40~400kmは上部マントルと呼ばれて、かんらん岩から成ります。
 地表から60~100kmまでのリソスフェアは、地殻と上部マントルの一部を含み、剛体のプレートです。
 
リソスフェアの下、200~250kmまでのアセノスフェアは、横波のS波を伝播することから、弾性のある固体といえ、地質時代的な時間では流動性があるとされ、プレート・テクトニクス理論成立の根拠ともなります。 アセノスフェアは、海嶺などプレートが拡大する場所では上昇しています。
 アセノスフェアの下、2900kmまでのメソスフェアは、下部マントルと呼ばれて、剛体です。

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2900kmより内にある外核と内核は、同じ組成の金属核ですが、Fe と Ni の特性により、外核の圧力下では融点に達して液体になり、内核の圧力下では凝固点以下となって固体になります。
 5200kmまでの外核は対流し、自由電子の
流れがコイルの役割をして、内核と外核を構成する強磁性の Fe ・ Ni  と反応して、誘導起電力が発生することで核内に電流が流れ、地磁気が発生します。

 Fe と Ni のキュリー温度は、Fe が770℃、Ni は354℃ ですが、地球の中心核の温度は太陽の表面温度とほぼ等しい約6,000 K (約5700℃)です。但し、Kはケルビン(熱力学温度の単位)。また、キュリー温度を超えると、熱振動のほうが大きくなって自発磁化が消失し、原子の向きはバラバラになります。

 強磁性体は、キュリー温度以下では、自発磁化によって、各原子の磁気モーメントの向きが自発的に揃い、磁場を掛けなくても磁気を保ちます。従って、火山から噴出した熔岩中の磁鉄鉱も、噴火当時の地磁気の向きを維持しています。
 外核の対OceanPlateExpand1620流の方向が変わると、地磁気は逆転し、地層に地磁気の縞模様を作ります。 例えば、玄武洞の玄武岩に含まれる磁鉄鉱を調べると、当時の 地磁気が、現在とは逆転していたことが分ります。
 地磁気は、過去360年間に少なくとも11回、逆転したと見做されています。最新の地磁気の逆転は78万年前で、飯岡層の上部において、層内の磁鉄鉱により、当時の地磁気の向きを確認可能です。258万年前の第3期/第4期境界も、屏風ヶ浦の名洗層において、同じく 確認可能です。

 このような古地磁気学の発達が、「海洋底拡大説」の証明に寄与し(写真右上・写真左)、「海洋底拡大説」+「大陸移動説」=「プレート・テクトニクス」ということで、次回は、「 プレート・テクトニクス」、および「プルーム・テクトニクス」の講義です。 日本人が提唱したことで、今一つ、欧米の学者には受けが悪いという噂のある 「プルーム・テクトニクス」 ですが、これを抜きに地球型惑星の構造は語れないほど、重要な学説との指摘もあります。 
  
 他に、地球寒冷化予測と3.11地震の原因について、新しい知見の紹介がありました。
 太陽活動が弱まる太陽風の極小期が続くと、地球が寒冷化することが分かっているそうです。
 
現在は、太陽風の極小期で、大量の宇宙線が地球に降り注いでいる状態だそうです。
 (参照 : 太陽磁場の4極構造化と地球寒冷化予測 【ジオ別館】Choshi GeoPark Annex の記事
 
海底測地で地殻変動
 図は、
海溝型巨大地震 海底下で何が起こっているのか?』芦寿一郎(東京大学新領域創成科学研究科・自然環境学専攻) より引用 (図をクリックすると拡大します。)

 宇宙線が大量に照射されると、海水に気泡ができて、海底の沈み込み帯が滑りやすくなり、陸側プレートに逆断層が発生したり、海溝・海盆に溜まっていた土砂が溢れ出して、海水が押された結果、津波が起きる、というのが、仙台湾の大津波に当て嵌め可能な、 3.11津波の「海底地滑りモデル」だそうです。

 他の地域にこのモデルが敷衍できるかは未知数ですが、
太陽風の極小期が当面は続くと予想されているので、このモデルによれば、今後、次々にM9クラスの大地震と巨大津波が、日本海溝に沿って発生すると予測されるかも知れません。三陸沖北部東南海?南海?そこの発電施設の状態なども、気になってしまいます。