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 船は、グングンと、屏風ヶ浦に近づいて行きます。午後の日を受けて、青みを帯びた灰色に輝く飯岡層が、目前に屹立して、左右に広がります。
 風化の激しい香取層は、湧水によって谷を刻み、飯岡層の上面まで削って、さらに谷を深くしています。

 洪積世に海中にあって平坦に堆積していた筈の下総台地も、海退によって地上に現れてから10数万年、今では、随分と凹凸が激しくなっていることを、実感しました。台地の表層・関東ローム層の上には、キャベツ畑の中に、風力発電機のプロペラがゆっくりと回っています。

 船が、荒波によって崩壊した通漣洞の沖合を通る頃、安藤先生が、延命姫伝説の解説をされています。通蓮洞で太平洋に注ぐ磯見川には、今でも、トウキョウサンショウウオゲンジボタルが生息するなど、生物多様性に富んだ水辺があると聞いています。アクセスの不便さが幸いしているかも知れません。

 刑部岬に近い台地上に、廃棄物の最終処分場が建設されたのは、飯岡層の不透水性を利用するためだと、安藤先生の解説が続きます。

 海に落ち込む刑部岬を洗う波しぶきを見ながら、船はゆっくりと回転します。帰路は、往路の2倍は出しているかと思われるスピードで、外川港に向かいます。

 日頃は、崖下の通路も半ば海中に没しているために、近づくことのできない飯岡層の全景を把握することのできた、フリッパー号のクルーズでした。船長さん、安藤先生、有難うございました。