犬吠層群

4月28日(土)基礎講座・野外見学会_屏風ヶ浦

 4月28日(土)10:00~14:00に、『銚子ジオパーク推進市民の会』の主催・千葉科学大の共催で、2012基礎講座・見学会第1回が、屏風ヶ浦で開催されました。
 銚子マリーナ前の千葉科学大の駐車場に、マスコット・キャラの「超Cちゃん」をあしらった千葉科学大の幟旗と、新しく登場した銚子ジオパーク推進協の「めざせ!銚子ジオパーク」の幟旗を立て、受付テーブルを出して、お客様を迎えました。
 今回は、GW初日にも拘らず、千葉科学大の1年生70名を含む、150名以上の方がお見えになりました、
 午前中は、毎回10数名の1グループに1人ずつ、「市民の会」ガイドが付きました。人数に余裕のあった午後は、6~7人の1グループに1人ずつ、「市民の会」ガイドが付きました。
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 ガイド内容の概略は以下の通りです。 
 (1) 屏風ケ浦の成り立ちと関東平野の地下構造
 (2) 犬吠層群の各地層の特徴
 (3) 名洗層内の火山灰層を鍵層とする地質時代の解析
 (4) 前浜・外浜と新しい漣痕の形成
 (5) 波浪による浸食、および地層保全vs国土保全
 (6) 断層の特徴と、3.11とその後の地震の影響
 (7) 夫婦ケ鼻―萱刈島断層と屏風ケ浦の不連続性
 (8) 未処理排水の流入度、および海水・生物への影響度 
 右上写真は、名洗遊歩道で屏風ヶ浦の解説をするガイドと、見学の大学1年生と市民。
 
 名洗層は、新生代のうち、新第三紀・鮮新世(約500万年前~)から第四紀・更新世(~220万年前)迄の長期に亘って海中に堆積した地層で、その内部に、筋状の火山灰層を幾重にも挟んでいます。
 上記(3)では、第三紀/第四紀境界(約258万年前)に近い約250万年前の火山灰層に含まれるザクロ石の化学組成と粒径の傾向を、 南関東の愛川町~鎌倉市~江東区~銚子市にかけての上総層群相当地域で調査し、丹沢山系の火山爆発の影響を立証した、2010年の田村氏らの研究成果が、その2cmほどの厚さの地層を目の前にして、紹介されました。
DSCN1310 今回は特に、大学1年生のグループに課題を出して、Na-G(ガーネット層)の連続する範囲を特定する作業を行って頂きました。名洗漁港手前から名洗遊歩道入口まで確認できました。
 上記(6)では、Y字の正断層を前に、「どちらの断層が先に発生したか?」大学1年生のグループにディスカッションをして頂きました。結論を市民ガイドが解説し、先に発生した断層の痕跡を確認して頂きました。
 また、3,11とその後の地震で崩落した名洗層の土砂の残骸を、それぞれの場所にご案内して解説し、地震への危機意識を高める模式地としての意義も確認しました。
 左上写真は、マリーナ駐車場前で見学のまとめをするガイドと、大学1年生。
 
 名洗層は、犬若海岸を目前にした犬若岬の西部から始まり、潮見町の銚子マリーナのある湾でカーブし乍ら、刑部岬手前の大谷津近辺まで露頭が見られますが、半島東北部の夫婦ケ鼻とマリーナ港内の萱刈島とを結ぶ断層で、一旦、区切られています。
 この断層の西側では、より古い第三紀・鮮新世の名洗層の大半は地下に潜り、より新しい第四紀・更新世の名洗層が主に露頭しています。
 この断層の東側では、より新しい更新世の名洗層は外川から続く台地の周縁部に見られます。より古い鮮新世の名洗層も、所々で関東ローム層の間から顔を覗かせています。
 上記(7)の萱刈島は黒生チャート・愛宕山・犬岩・千騎ケ岩と同様、ジュラ紀の地層からなります。
 今回は、時間と人数の都合で、マリーナ港内の萱刈島はご案内できませんでした。

月例見学会第1回 ・ 屏風ヶ浦

 1月29日(日)10:00~14:00に、『銚子ジオパーク推進市民の会』の主催で、月例見学会第1回が、屏風ヶ浦で開催されました。
 銚子マリーナ前の千葉科学大の駐車場に、マスコット・キャラの「超Cちゃん」をあしらったノボリを立て、受付テーブルを出して、お客様を迎えました。 

 三々五々お見えになるお客様の小グループに対応して、随時、1~3名の『~市民の会』スタッフがガイドを行います(下右写真)。その内容の概略は以下の通りです。

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 (1) 屏風ケ浦の成り立ちと関東平野の地下構造、
 (2) 犬吠層群の各地層の特徴、
 (3) 名洗層内の火山灰層を鍵とする
   地質時代の解析、
 (4) 前浜・沖浜と新しい漣痕の形成、
 (5) 波浪による浸食、 
   および、地層保全 vs 国土保全、
 (6) 断層の特徴と3.11の影響、
 (7) 夫婦ケ鼻―萱刈島断層と
   屏風ケ浦の不連続性、
 (8) 未処理排水の流入度、
   および、海水・生物への影響度

 名洗層は、新生代のうち、新第三紀・鮮新世(約500万年前~)から第四紀・更新世(~220万年前)迄の長期に亘って海中に堆積した地層で、その内部に、筋状の火山灰層を幾重にも挟んでいます。
 上記(3)では、新第三紀と第四紀の境界(約258万年前)に近い約250万年前の火山灰層に含まれるザクロ石の化学組成と粒径の傾向を、 南関東の愛川町~鎌倉市~江東区~銚子市にかけての上総層群相当地域で調査し、丹沢山系の火山爆発の影響を立証した、2010年の田村氏らの研究成果が、その2cmほどの厚さの地層を目の前にして、紹介されました。

Kayakarijima3_AD 名洗層は、犬若海岸を目前にした犬若岬の西部から始まり、潮見町の銚子マリーナのある湾でカーブし乍ら、刑部岬手前の大谷津近辺まで露頭が見られますが、半島東北部の夫婦ケ鼻とマリーナ港内の萱刈島とを結ぶ断層で、一旦、区切られています。左は萱刈島を含むマリーナ港内のGoogle航空写真(ダブルクリックで島が見えます)。

 この断層の西側では、より古い鮮新世の名洗層の大半は地下に潜り、より新しい更新世の名洗層が主に露頭しています。
 この断層の東側では、より新しい更新世の名洗層は外川から続く台地の周縁部に見られます。より古い鮮新世の名洗層も、所々で関東ローム層の間から顔を覗かせています。
 鮮新世の名洗層は、直接、新第三紀・中新世の夫婦ケ鼻層、中生代・白亜紀の長崎鼻層や犬吠埼層、さらには、中生代・ジュラ紀の愛宕山層の上に、不整合に堆積している様子が見られますが、この部分の紹介は『犬岩・月例見学会』に譲ります。

 上記(7)の萱刈島は黒生チャート・愛宕山・犬岩・千騎ケ岩と同様、ジュラ紀の地層からなります。

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 今回は、希望者のみのオプションで、マリーナ港内の萱刈島(右写真)を見学しました。

 近隣の岩礁のうち、マリーナの工事で、恐らくはここだけが保存されたように見える、ゴツゴツした岩が、海面に頭を出しています。陸に近い側では、海面下の岩も見ることができます。愛宕山や犬岩と同じなら硬砂岩でしょうが、萱刈島の外見は泥岩に似ています。
 岩の頂上には、白くて新しい小さな祠が祀られています(右写真をダブルクリックすると、岩容や神社が拡大)。
 近づけなくて分かりませんが、以前はこの島に湧水が見られたことから、「水天宮かもしれない」という話もありました。


 昼頃には、風はあるものの日差しが強くなり、新しいお客様も増えました。最近は毎週土曜日の『大衆日報』に、安藤先生の連載記事が載るようになり、この記事をご覧になっての訪問者もいらっしゃいました。
 日本列島が寒さの底に沈んでいる今日この頃ですが、9m/秒の風速にも負けず、49名の見学客が、銚子市内および首都圏から訪問されました。

 次回は立春を過ぎて暖かくなることから、2/26(日)の『犬吠埼・月例見学会』への、皆様の一層の参加をお待ちしています。
 集合場所は、「君ヶ浜しおさい公園(犬吠埼灯台寄り海側駐車場)」です。

青空の下、「東海岸・岩礁地帯の見学会」(その2)

ByobuDaichiUe20111210 (5)長崎鼻では、干潮時には徒歩で行ける浅い海中に、大宝満・小宝満が望めます。今日は島へ渡れず、噴出した古銅輝石安山岩による、夫婦ヶ鼻層への貫入や巻き込みは、見ることができません。ふと気付けば、遠くに刑部岬が見えます。
 (6)長崎海岸では、周辺から採取したと思しき、黒くて丸い礫岩が、民家の垣根に使われている様子を観察。

 (8)大谷津では、先ず、下総台地の頂上に上り、犬若岬から刑部岬までの海食崖を観察。今は海中に没した佐貫城と、そこに逗留したと伝わる義経や、城主・片岡常春、奥州・衣川に散った弟・為春の命運に思いを巡らせ、渡る海風も「諸行無常」と吹くように思いました。

 次に、海岸の、テトラに近いコンクリート上に降りました。ここに来ると、日頃見慣れている名洗遊歩道からの名洗層を中心とした屏風ヶ浦とは異なり、飯岡層が中心になります。青灰色を帯びた泥質凝灰岩から成る飯岡層が、上部の香取層との境界から流れ落ちる湧水によって、白く輝いています。風化の激しい香取層は、屹立する飯岡層の崖面に流れ出して、随所でそこを覆っています。ここでは未だ飯岡層の下に名洗層も露頭しており、犬吠層群の3層すべてと関東ローム層が同時に観察できます。
 帰りがけに、飯岡層の上面からの清冽な湧水を、何度も確認しました。

 天候にも祝福されて、メンバーの誰もが市民レベルでの成功感を味わった、素晴らしい見学会は、午後3時で終了。
 休日に、ご家族づれで参加され、いろいろと教えて下さった、安藤先生に感謝いたします。

青空の下、「東海岸・岩礁地帯の見学会」(その1)

 昨日までとは打って変わって好天に恵まれた12月10日、『安藤先生の解説付き、東海岸・岩礁地帯の見学会』が開催されました。
 銚子ジオパーク市民の会のメンバーとご家族が参加、20余名が千葉科学大のバスに乗って、銚子半島の東海岸へ。コースは以下のとおり:

KurohaeTonbiiwa20111210  (1)夫婦ヶ鼻層、
 (2)黒生チャートの探索、
 (3)とんび岩周辺の海鹿島礫岩、
 (4)黒生漁港の古銅輝石安山岩、
 (5)長崎鼻で宝満島を望む、
 (6)長崎海岸の礫岩、
 (7)波止山を望む、
 (8)大谷津の犬吠層群、
 (9)愛宕山で高神礫岩の探索。


 圧巻は(2)の黒生チャートの再発見。全員で、高さ2m近い八丈芒の群落の中を、掻き分けつつ探索すること20分余り。地形に強いメンバーが、遂に、うっすらと青緑色に光る珪酸質の岩体を発見。メンバー達は感動して、シャッター音が続きます。
 (3)の海鹿島礫岩に含まれるチャートの中に、(2)とは異なる赤い礫を確認。

 (4)黒生漁港の突堤の先に、夫婦ヶ鼻層に噴出した古銅輝石安山岩の、「板状節理」を成す、ゴツゴツした黒い岩体が続きます。突堤伝いに、これらの岩の上に降りることができます。(4)の岩体は、同じ第三紀中新世とはいえ、(5)宝満島よりも後の時代、日本海の拡大期のものだそうです。黒生での火山活動は、余程激しいものだったように見えます。

 黒生チャートの上に建つと評判のペンションで、1時間の昼食タイム。ビーフカレーも食後のコーヒーも美味しくて、満足。

 古銅輝石安山岩からの連想で、昼食中に思い出したのが、鉄平石のこと。よく似ているのです。子供の頃、和風の家を新築する人は、玄関の内外のポーチに鉄平石を敷くことをステータスにしており、それが安山岩だとは広く知られていました。序でに、Wikipediaに当ってみると以下のとおり:

 「鉄平石は、長野県の諏訪地方・佐久地方に広く分布する輝石安山岩の板状節理がよく発達したもの。およそ2,500万年前の火山活動によって形成されていると推測されている。板状に剥がれやすい性質を持ち、2~3cm内外の厚さに剥離された鉄平石は、建築用の内装外装用石材として広く利用されている。」

 平塚市博物館の解説によると、「諏訪鉄平石は更新世の複輝石安山岩、佐久鉄平石は中新世の輝石安山岩で、佐久石は中新世後期の複輝石安山岩質溶結凝灰岩」だそうです。黒生と比較した場合、成分的に似ているのは諏訪鉄平石で、時代的に近いのは佐久鉄平石です。
 
 南極大陸が氷に覆われていなかった中生代、ジュラ紀の火山活動を代表する熔岩として有名な鉄平石ひとつ取っても、一筋縄では行かないことだけは分かりました。それに、Wikipediaの解説がチョット微妙なことも・・・
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