磁鉄鉱

2012基礎講座 第8回 地磁気と海洋底拡大 

6月21日(木)午後7時~8時半に、 基礎講座の第8回が開催され、60名近い参加者がありました。 今回も、教室前に幟旗を立て、テーブルを出して、「市民の会」のスタッフが、千葉科学大の学生さん達と共に、受付などの事務処理を行いました。

 今回のテーマは『地磁気と海洋底拡大』で、安藤先生の講義です。 
 先ず、地球の層構造~地磁気を、「地学図表」P.10~13を参照しつつ解説、この部分は、高校地学だけでなく高校物理の復習になりますが、原理的な部分については押さえておく必要があります。

 主として玄武岩質の海洋地殻は薄く10km以下です。上部が花崗岩質で、下部が玄武岩質の大陸地殻は、それより厚く、40kmに及ぶものもあるそうです。
 地殻の下、40~400kmは上部マントルと呼ばれて、かんらん岩から成ります。
 地表から60~100kmまでのリソスフェアは、地殻と上部マントルの一部を含み、剛体のプレートです。
 
リソスフェアの下、200~250kmまでのアセノスフェアは、横波のS波を伝播することから、弾性のある固体といえ、地質時代的な時間では流動性があるとされ、プレート・テクトニクス理論成立の根拠ともなります。 アセノスフェアは、海嶺などプレートが拡大する場所では上昇しています。
 アセノスフェアの下、2900kmまでのメソスフェアは、下部マントルと呼ばれて、剛体です。

OceanPlateEx01624 
2900kmより内にある外核と内核は、同じ組成の金属核ですが、Fe と Ni の特性により、外核の圧力下では融点に達して液体になり、内核の圧力下では凝固点以下となって固体になります。
 5200kmまでの外核は対流し、自由電子の
流れがコイルの役割をして、内核と外核を構成する強磁性の Fe ・ Ni  と反応して、誘導起電力が発生することで核内に電流が流れ、地磁気が発生します。

 Fe と Ni のキュリー温度は、Fe が770℃、Ni は354℃ ですが、地球の中心核の温度は太陽の表面温度とほぼ等しい約6,000 K (約5700℃)です。但し、Kはケルビン(熱力学温度の単位)。また、キュリー温度を超えると、熱振動のほうが大きくなって自発磁化が消失し、原子の向きはバラバラになります。

 強磁性体は、キュリー温度以下では、自発磁化によって、各原子の磁気モーメントの向きが自発的に揃い、磁場を掛けなくても磁気を保ちます。従って、火山から噴出した熔岩中の磁鉄鉱も、噴火当時の地磁気の向きを維持しています。
 外核の対OceanPlateExpand1620流の方向が変わると、地磁気は逆転し、地層に地磁気の縞模様を作ります。 例えば、玄武洞の玄武岩に含まれる磁鉄鉱を調べると、当時の 地磁気が、現在とは逆転していたことが分ります。
 地磁気は、過去360年間に少なくとも11回、逆転したと見做されています。最新の地磁気の逆転は78万年前で、飯岡層の上部において、層内の磁鉄鉱により、当時の地磁気の向きを確認可能です。258万年前の第3期/第4期境界も、屏風ヶ浦の名洗層において、同じく 確認可能です。

 このような古地磁気学の発達が、「海洋底拡大説」の証明に寄与し(写真右上・写真左)、「海洋底拡大説」+「大陸移動説」=「プレート・テクトニクス」ということで、次回は、「 プレート・テクトニクス」、および「プルーム・テクトニクス」の講義です。 日本人が提唱したことで、今一つ、欧米の学者には受けが悪いという噂のある 「プルーム・テクトニクス」 ですが、これを抜きに地球型惑星の構造は語れないほど、重要な学説との指摘もあります。 
  
 他に、地球寒冷化予測と3.11地震の原因について、新しい知見の紹介がありました。
 太陽活動が弱まる太陽風の極小期が続くと、地球が寒冷化することが分かっているそうです。
 
現在は、太陽風の極小期で、大量の宇宙線が地球に降り注いでいる状態だそうです。
 (参照 : 太陽磁場の4極構造化と地球寒冷化予測 【ジオ別館】Choshi GeoPark Annex の記事
 
海底測地で地殻変動
 図は、
海溝型巨大地震 海底下で何が起こっているのか?』芦寿一郎(東京大学新領域創成科学研究科・自然環境学専攻) より引用 (図をクリックすると拡大します。)

 宇宙線が大量に照射されると、海水に気泡ができて、海底の沈み込み帯が滑りやすくなり、陸側プレートに逆断層が発生したり、海溝・海盆に溜まっていた土砂が溢れ出して、海水が押された結果、津波が起きる、というのが、仙台湾の大津波に当て嵌め可能な、 3.11津波の「海底地滑りモデル」だそうです。

 他の地域にこのモデルが敷衍できるかは未知数ですが、
太陽風の極小期が当面は続くと予想されているので、このモデルによれば、今後、次々にM9クラスの大地震と巨大津波が、日本海溝に沿って発生すると予測されるかも知れません。三陸沖北部東南海?南海?そこの発電施設の状態なども、気になってしまいます。

2012基礎講座 第3回 海岸地形/堆積岩の分類

DSC01415 5月17日(木)午後7時~8時半に、 基礎講座の第3回が開催され、60名以上の参加者がありました。 今回も、教室前に幟旗を立て、テーブルを出して、「市民の会」のスタッフが、千葉科学大の学生さん達に 代わって、受付や地学テキストの販売などの事務処理を、講座開始まで行いました。講座開始後は、学生さんにバトンタッチしました。

  前半の安藤先生は、前回は駆け足で説明された「海岸地形のでき方」を、スライドや板書を使って 詳しく説明されました。特に、屏風ヶ浦の洪積台地(下総台地)について、どのようにして谷頭浸食が進んで行くかを解説されました(左上写真)。
 今日は、休憩時間に、この部分について、多くの質問がありました(下左右写真)。
DSC01416ed   DSC01424ed








 後半の坂本先生は、「堆積岩の分類とでき方」を、写真や配布資料で説明されました。

 堆積物は続成作用を受けて堆積岩になります。 続成作用には、上載圧力(圧密現象)のような物理的作用と、膠結(化学生成物を析出して固結力を高める)のような化学的作用があります。 物理的作用と化学的作用は、堆積修了と同時にスタート、初期は物理的作用が支配的で、その後に化学的作用が数万年に亘って継続します。屏風ヶ浦の香取層などは、 膠結が不十分なうちに海退が起きて地上に現れたため、雨水の浸透によって浸食され、谷頭浸食が発達しています。
 一方、 火山灰が地上に降下後、火山灰が持つ熱と重量によって、その一部が溶融し、圧縮されてできた凝灰岩を、溶結凝灰岩と呼びます

DSC01434 
坂本先生は、結晶が素晴らしく、珍しい岩石の写真を見せて下さいました。種類は、磁鉄鉱・銅・方鉛鉱・ダイアモンドです。磁鉄鉱は、 別の石の中に、黒い円錐?型の結晶を見せて埋まっています。
 や金は、純粋な結晶を作りやすいため、精錬技術がなかった古代から利用されてきた、という説明もありました。
   
 また、地球の歴史や未来についても言及があり、地球には氷河期が周期的に到来するのに対して、必ずしも温暖化は起きないのではないかと、心配?している研究者も居るということです。

 坂本先生は、今年から学部長になられて、お忙しいのですが、この講座では、あと3回、講義して下さるそうです。
 
 来週は、授業の前半に、安藤先生の「島原ユネスコ会議報告」があります。

豊里小で「地学教育支援プロジェクト」の実施

 今朝は、千葉科学大学における「地学教育支援プロジェクト」の一環として、豊里小を訪問しました。
 安藤先生の他に、ジオパーク推進市民の会のメンバー6名が参加しました。

 始め、理科がご専門の校長先生とメンバー5名で、銚子に関した地学系の話題で情報交換しました。校長先生は、「港湾整備前の利根河口の島には黄鉄鉱があった」など、貴重なお話をされていました。

 やがて、安藤先生が沢山の実験機材を運んで来られました。皆で手分けして設置を終えると直ぐに授業のスタートです。1クラス2時限ずつ、2クラスで、計4時限分を、午前の2時限以内に行う予定。
 これを、講義と観察の二手に分かれて同時平行的に授業を行うということで、安藤先生が講義2時限、市民の会のメンバーが観察2時限を、それぞれ担当することになりました。
 今回の観察授業2時限の担当は、私が試行することに。突然振られて、心の準備ができていないですが。

 1クラス24名を3班に分け、 実体顕微鏡、 岩石観察、 試料の洗浄・乾燥の3種の作業を同時平行に実施、10分で交代。作業の前後に、解説とまとめのテストを、各10分ずつ行います。
 各作業には、市民の会のメンバーが2名ずつ就いて、生徒さん達をサポート。

 顕微鏡を使う作業は、前回までにも時間がかかっているので、今回は、担当メンバーがあらかじめ、顕微鏡のセッティングを全て、観察開始前に終えていました。
 火山ガラスや軽石は量が多いので容易に見つかりますが、僅かな試料の中から、黒雲母と磁鉄鉱を発見するのには、今回の生徒さん達も、多少時間がかかりました。もともと、含有比率がかなり少ないので、工夫が必要です。
 磁鉄鉱は、あらかじめ壁止め用マグネットで帯磁させてある、伸ばしたゼムクリップで、試料に軽く触れることで、クリップに吸着したものを観察します。
 黒雲母は、ペラペラしているだけでなく、名前とは異なり、金色っぽく光っている場合が多いことを、予め説明しておきました。

 それでも、1クラスにつき5分遅れ程度で、なんとか2クラスとも完了。PCが無事に作動したことにも、ほっとしました。
 生徒さん達は、実験観察系が大好きですから、とても喜んでおり、帰り掛けの「また来てね~」が心に残ります。
livedoor プロフィール
カテゴリ別アーカイブ
月別アーカイブ
最新コメント
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード
livedoor 天気
  • ライブドアブログ